2012-01-25 りんごの木 あらしのあとの りんごの木に きびしくむちうつことなかれ 折れた枝に添え木を 落ちた実をていねいに拾い あらしを耐えた生存を ねぎらい いたわり 痛んだ枝葉 枝元 幹の ひとつひとつに 親身な手当てを それぞれには別個の傷と痛みが 無数に刻まれている 傷が膿むことのないよう 根気よく手当をつづけるのだ 内奥には無垢の魂 生命の光に祈りを やがてふたたび陽の目を浴びる 魂の新芽 息吹きを待つ